NHKのニュース(2009/9/9)で、東京で東南アジアの熱帯地域を原産とするシジミチョウの一種が見つかったと報じていた。
最近の日本の蝶事情に少し詳しい方なら、これはクロマダラソテツシジミのことだとピンときたと思う。
(長い和名の為か、ネットでは「クマソ」と略すケースを多く見る。クマソタケルに引っ掛けているのかな?)
昨年は近畿まであちこちのソテツで姿を見せて西日本を騒がした蝶で、九州では定着できた模様だが、今年はまだ大阪等では姿を見せず、越冬できなかったのではないかという噂もあった。
そんな蝶が、まさか東京で?と思ったが・・・
9/15に心当たりを探してみたら、2つ目の公園の1本のソテツの周辺で10頭以上が飛び回っていた。幼虫の食餌であるソテツの一部には目立つ喰痕があった。
いずれ八重山で会えるとは思っていたが、東京で出会うとは。これで撮影できた邦蝶は199種となった。
9/18に見かけた成虫は少なかったが、幼虫は複数頭確認できたので、もう1化しそうだ。
今のところ静岡、千葉で確認されている模様だが、まだ神奈川では発見報は聞いていない為、東京への進出ルートは謎だ。
このソテツは、東京にお住まいの方が、1990年代初めに自治体に引取ってもらった経緯があるそうなので、蝶がソテツごと東京に移動したという可能性はまず考えられない。
やはり放蝶なのか?
その後、
ojyal(grassmonblue)さんからメールを頂き、東大で東京産・千葉産のマーキング調査を行っていること、ポイント情報は東大側から一部の方々に公開されていたらしいことも知った。
進出ルートは調査の結果を待たねばならないのかもしれない。
東京のソテツはもちろん自生はしておらず、冬を越すにも「冬囲い」という防寒処置を要する為、大阪付近で蝶が越冬できないなら、おそらく東京での越冬は難しいと思われる。
ちなみに、幼少の頃に何かの本(図鑑?)でソテツをボロボロに食害するソテツシジミについて読んだ記憶がある。ボロボロに食害されたソテツの絵が記憶に残っている。
調べてみたら、(クロマダラソテツシジミとは別種の)ソテツシジミが1966年に八重山の一部で大発生し、2年間で姿を消したらしい。
今回のクロマダラソテツシジミも似た経緯を辿るのだろうか。
2009/10/2追記
その後、人づてではあるが大阪府(環状線内)と神奈川県南部から、それぞれ今年の発見報を聞いた。
千葉、東京とくれば、神奈川は予想の範疇ではあったが、昨年あれだけ目撃された大阪で発見がこんなに遅れたのは不思議だ。

◆クロマダラソテツシジミ羽化(2009年9月中・東京)
翅がまだ伸びきっていない羽化間もない個体にも会う事ができた。
ソテツの樹皮の隙間から出てきた様だ。


◆クロマダラソテツシジミ(2009年9月中・東京)
薄曇りが幸いして、翅を開く個体も多く見られた。
翅表だけを見るとウラナミシジミとそっくりに見える。



↑幼虫

↑こんな色の幼虫もいた。もうすぐ蛹になるのか。蟻がまとわりついていた。


↑蛹のカラ

↑成虫はソテツ自体より周辺の低木に多く見られたが、1頭だけソテツにこだわる個体が見られた。
産卵準備活動か? この時は何かを舐めていた。

↑マーキングされた成虫も1頭見られたが、他の成虫に比べてくたびれた個体で、ソテツの側で大人しくしていた。


↑ソテツの食害の状況
→9/17に観察に行かれた真神ゆさんの記事→ホームページ