ATSさん、
川北さん、
Matszさんのご協力を得て、埼玉で
フユシャクの探索を行い、
ターゲットのユキムカエフユシャクとサザナミフユナミシャクに再会することができた。
直前の偵察では未発生だったのだが、前日の雨が幸いしたのか、当日は新鮮な両種を複数頭確認できた。
これで今冬のフユシャクの確認は15種となった。
◆ユキムカエフユシャク♂(2009/12 埼玉)
「雪迎」という風流な和名を持つ、東日本に分布する山地性の初冬型フユシャク。
従来はシロオビフユシャク(画像は下方)と同種と見られていたが、比較的最近に別種とされた。
埼玉のポイントでは非常に局所的ながら不思議と低地(標高10m付近)に棲息する。
通常、標高1000m以上で出会う個体の幼虫はヤマハンノキを食すとされているが、
埼玉産はハンノキを食すらしい。
この日は羽化間もない個体にも会うことができた。
↑シロオビフユシャク(2009/11 山梨) 標高1400m付近。
◆サザナミフユナミシャク♂(2009/12 埼玉)
関東甲信付近に分布する平地性の初冬型フユシャク。
けっこう小さく、外見も地味で、非常に見つけ難かった。
理由は不明だが神奈川ではなかなか会えなくなってきた。
↑川北さんが最初に見つけたサザナミフユナミシャク♂
流石の探索眼です。
↑チャバネフユエダシャク♂(2009/12 埼玉)
羽化間もない個体に数頭会えた。光を当てると敏感に飛び立つ。
山梨高地では11月中に既に観察していたので、1ヶ月近く遅い発生だ。
標高差や緯度差はそのまま温度差につながり、発生時期の時間差が生じる。
あまり時間が自由にならない観察者としては、標高差や緯度差を上手く使うことによって、
時期を進めたり、遅らせたり出来るので、会いそびれた種の探索や、リベンジができる。
標高差や緯度差は「プチ・タイムマシン」だ。
↑クロオビフユナミシャク♂(2009/12 埼玉)
この日は羽化間もない♂に多数出会えた。山梨高地では11月末に発生していたので半月遅い。
↑昼間に出会った、保護色が微妙なキノカワガ(2009/12 埼玉)
もちろんフユシャクではないが、成虫越冬なので冬に会える機会も多い。
↑夜の樹液に来ていたフクラスズメ(2009/12 埼玉)
この種は広い意味のカトカラで、後翅の青斑がチラリと見えた。
これも成虫越冬なので冬に会える可能性は高い。雨戸袋で出会ったなんて話もよく聞く。
幼虫はよく見かける割りに、成虫に出会う機会はさほど多くない。
↑フクラスズメ幼虫(2009/5 神奈川)
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