チーム神奈川3名(
真神ゆさん、
蛾LOVEさん、私)で再び埼玉にお邪魔して、
川北さんと今秋二度目の高地灯火を慣行。
既に
クロウスタビガは皆無。あんなにいた
ヒメヤママユも終りかけ。
アキシャク3種に混じってウスタビガが出ていた。
しかも貴重な雌雄モザイク(gynandromorph)の個体に遭遇。発見時の詳細は
川北さんのブログ参照。
雌雄の外見が異なるウスタビガだったからこそ雌雄モザイクと判別できた様なものなので極めてラッキーだった。これが雌雄で差が少ない
クロウスタビガだったら気がつかなかったかもしれない。
◆ウスタビガ♂♀(埼玉10月)
上の茶色い個体が♂、下の黄色い個体が♀。
晩秋に現れる
野蚕(ヤママユガ科)のアンカー。
↑♂
↑♀
◆ウスタビガ雌雄モザイク(同上)
左前翅は♂の形状だが、右前翅は♀の形状に近い。全体的に♀の黄色地だが、♂の茶色が混じっている。
灯下にいたので飛ぶことは出来たのだろうが、見た目にシュールで痛々しかった。
↑左(画像向かって右)の触角は♂だが、右(画像向かって左)の触角は♂と♀が混じっている。
↑左右の前翅の形状が異なっているのが重ねるとよく判る。(手は蛾LOVEさん)
↑カタツムリの交尾。交尾では一方が♂、もう一方が♀の役割を果たす。
「雌雄同体」とは雌雄の生殖器を同一個体に持っている生物をいい、カタツムリなどが該当する。
「雌雄モザイク(gynandromorph、雌雄嵌合体、性的モザイク)」とは、本来は雌雄異体の生物であるにもかかわらず、遺伝子異常などの原因で、同一個体に雌雄が混在する状態。
昆虫ではクワガタや蝶が有名だが、共に飼育種で見つかることが多い。クワガタは雌雄で大顎の形状が異なるし、蝶も雌雄で翅の色彩が異なる種なら判り易いからだろう。
自然界では実際にどの程度、雌雄モザイクが発生しているか判らない。
仮に、雌雄の外見に差がほとんど無い種(例えばカナブンやキタキチョウ)の雌雄モザイク個体が目前にいても、外見で判別するのが困難な為、気がつかない可能性が極めて高い。
また、雌雄モザイクは両性が半々とは限らず、片方の性がごく数%に過ぎない場合も充分あり得る。そうなると外見ではほとんど判別できず、正常個体として交尾して子孫すら残せるかもしれない。
↑ベニシジミの雌雄モザイクと思われる個体(過去画像。神奈川産)
左右の翅の大きさが異なり形状も異なる。後翅表の白斑も片方にしか無い。
他の正常個体に混じって普通に飛んで吸蜜していた。採集はしていない。
→野蚕図鑑
→ホームページ