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対馬遠征 ~ツシマウラボシシジミに会いに~

ashさん・TODさんDodo-boyさんと、初めて対馬に赴いた。
狙いは(日本では)対馬固有種のツシマウラボシシジミだが・・・
最近、(特に今年は?)数的に非情に厳しい状態との情報を複数ルートで聞いていた。

対馬は九州の北に位置し、福岡の方が近いが、長崎県対馬市である。
私は福岡で飛行機を乗り継いで、半日早く入島し下見。
台風(16号)一過で天候はまずまず。ashさん・TODさんご夫婦と一緒の企画はほぼ天候の心配は無い(笑)

しかし、ツシマウラボシシジミは噂通り全く姿を見ず、蝶と言えば、
本州では稀なウラナミジャノメの他、ミヤマカラスアゲハ、クロアゲハ、ナミアゲハ、モンキアゲハ、ナガサキアゲハ、キタキチョウ、モンキチョウ、ヤマトシジミ多数、ベニシジミ、ルリシジミ、ムラサキシジミ、テングチョウ多数、ツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモン、アカタテハ、ヒメアカタテハ、コミスジ、クロヒカゲ、クロコノマチョウ、イチモンジセセリ多数、チャバネセセリ、いやに小さなキマダラセセリ数頭等を見かけたくらい。
なぜかキタテハやモンシロチョウ、スジグロシロチョウ類を見かけないのが不思議だったくらいで、ウラナミジャノメ以外は本州の蝶相とあまり違いを感じなかった。

2日目早朝、ashさん・TODさん、Dodo-boyさんがフェリーで合流し、朝食を兼ねて、過去の産地情報や、最近のネット情報等から探索範囲を再検討。
勘を頼りに探索を開始した結果、Dodo-boyさんが朝9時過ぎに、辛うじて♂1頭を発見し、恐れていたヌルは回避できた。食草の発見力といい、勘や運の良さといい、いつもの神的探索眼は健在だった(笑)

3日目(最終日)も、同じポイントも含めてあちこち探索したものの、結局、会えたのはこの1頭だけだった。
これで撮影できた邦蝶は237種となった。
台風直後ゆえに、もしかしたらと期待した迷蝶も姿は無く。スナアカネだけが想定外の収穫だった。

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◆ツシマウラボシシジミ♂(9月 対馬)Pithecops fulgens tsushimanus
全て同一個体。発見からしばらく、大変良いモデルになってくれた。
リュウキュウウラボシシジミに似る。日本では対馬固有種。環境省の準絶滅危惧種。
♂の翅表は、コムラサキの様な構造色になっている様で、角度によって綺麗な青に見える。
幼虫はヌスビトハギ等を喰う。鹿害(植物の食害)等で棲息数が激減している模様。
対馬教育委員会・文化財課に確認したところ、同種は市全域の天然記念物であり「採集禁止」とのこと。

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↑食草ヌスビトハギ
秋に藪を歩くとひっつく種の代表格(笑)

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↑発見した林道
杉林と小川に加え、林縁は陽が当たり草が豊富。もちろんヌスビトハギも生えている。複数種の蝶も飛んでいた。

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↑過去のツシマウラボシシジミ産地の林道
杉自体が育ち過ぎた上、伐採されていない場所は遷移が進まず、陽も入らない。加えて・・・
鹿に下草だけではなく樹皮まで食われて、食害が酷い。もちろんヌスビトハギは無く、蝶の姿も無い。
早期に有効な鹿対策を取らないと、蝶に限らず、植物に依存する島の生物全ての将来は暗い。

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↑ツシマウラボシシジミ標本(撮影協力:対馬野生生物保護センター

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◆ウラナミジャノメ(同上)Ypthima motschulskyi
本州ではレア種。普通種のヒメウラナミジャノメに似る。
対馬では、なぜかヒメウラナミジャノメが全くおらず、本種が普通種の位置を占めている。
最初は喜んで撮っていたが、途中で飽きた(笑)
目玉斑紋は護身に有効の様で、しっかり目玉模様だけ啄ばまれた形跡のある個体も複数見かけた。

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↑妙に小さなキマダラセセリに複数出会った。島嶼矮小型なのか?
止まっていた葉にのせた人指し指と比べると、体長は約15mm程度か。

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↑イチモンジセセリは本州と変わらない大きさ。求愛行動の嵐だった(笑)

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↑少数ながらチャバネセセリもいた。これも本州と変わらない大きさ。

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↑初見のスナアカネ

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↑オマケ
ツシマヤマネコ(撮影協力:対馬野生生物保護センター)

→ホームページ
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by issun_no_mushi | 2012-09-24 22:35 | 鱗翅目・蝶