旧年中は大変お世話になりました。
2013年もよろしくお願い致します。
2013年は巳歳。蛇の年。
ヘビの名がつく虫を考えましたが、なかなか難しいです。
毎年のことですが(笑)
結局、
昨正月に予想した通り、「ヘビトンボ」(英名:Dobson fly)に登場頂くことになりました。
ヘビトンボ(Protohermes grandis)はアミメカゲロウ上科ヘビトンボ目(資料によってはアミメカゲロウ目)ヘビトンボ科の昆虫です。
トンボを連想する2対の翅と、大顎で噛み付くことから、蛇蜻蛉の和名になった様です。
初めて実物に会った時、トンボの要領で翅をつかんだにもかかわらず、しっかり首をまわして噛みつかれました。
まさにヘビの名に恥じません(笑)
その外見は、初めて翅をもった昆虫といわれる化石のムカシアミバネムシや、
アニメ映画「風の谷のナウシカ」に登場する虫たちを彷彿とさせます。(リンクフリー確認済)
幼虫はトンボの幼虫(ヤゴ)同様、水棲で清流を好み大顎で他の虫や小動物を食餌とします。
子供時分にバイブルにしていた当時の小学館の昆虫図鑑に、幼虫は孫太郎虫と呼ばれ、疳の薬に使われたと串刺の図が載っていたのが今でも目に浮かびます。
蛹はゲンジボタルの様に岸に上がって土中などにいて、蛹であるにもかかわらず噛み付くとか。
一寸の虫にも五分の魂。
知れば知るほど興味は尽きません。
2013年の皆様のご多幸と虫運を祈ります。
2014年の干支はウマか・・・(汗)
2013/1/6追記
<ヘビトンボ図鑑>
日本のヘビトンボ科は下記の2亜科3属8種とか。(参考「日本産水生昆虫」東海大学出版会)
クロスジヘビトンボ亜科
モンヘビトンボ属
●モンヘビトンボ(Neochauliodes sinensis)対馬、石垣島、西表島
●ヤエヤマヘビトンボ(Neochauliodes azumai)石垣島・西表島固有
クロスジヘビトンボ属
●ヤマトクロスジヘビトンボ(Parachauliodes japonicus)本州、四国、九州、奄美、沖縄本島、石垣島、西表島
●タイリククロスジヘビトンボ(Parachauliodes continentalis)本州、四国、九州、対馬
○ヤンバルヘビトンボ(Parachauliodes yanbaru)沖縄本島固有
ヘビトンボ亜科
ヘビトンボ属
●ヘビトンボ(Protohermes grandis)日本全国
○アマミヘビトンボ(Protohermes immaculatus)奄美大島、徳之島、久米島
●ミナミヘビトンボ(Protohermes sp.)石垣島・西表島固有
その内、未見2種(ヤンバルヘビトンボ、アマミヘビトンボ)を除く6種を掲載する。(ヘビトンボは上記画像を参照)
↑モンヘビトンボ(Neochauliodes sinensis)石垣島産
↑ヤエヤマヘビトンボ(Neochauliodes azumai)西表島産
モンヘビトンボに似るが斑紋が少ない。稀種。
↑ヤマトクロスジヘビトンボ(Parachauliodes japonicus)本州産
↑タイリククロスジヘビトンボ(Parachauliodes continentalis)本州産
↑ミナミヘビトンボ(Protohermes sp.)西表島産
ヘビトンボの小型版。台湾等に棲息するヒメヘビトンボの近縁種。
アミメカゲロウ目つながりで・・・
<ツノトンボ図鑑>を(笑)
日本のツノトンボ科は4属4種とされているが、
蛾LOVEさん筋の新しい情報では、オキナワツノトンボとは別にヤエヤマツノトンボが新種として提唱されたとか。
5種とも撮れているので下記に掲載する。
↑キバネツノトンボ本州産(Libelloides ramburi)上♂、下♀。本州、九州に棲息。
↑ツノトンボ本州産(Hybris subjacens)上から♂、♀、卵、幼虫。本州、四国、九州に棲息。
↑オオツノトンボ本州産(Protidricerus japonicus)♀。 本州、四国、九州に棲息。
↑オキナワツノトンボ石垣島産(Suphalomitus okinawensis)上♂、下♀。沖縄、八重山に棲息。
↑ヤエヤマツノトンボ西表島産(Suhpalacsa iriomotensis)上♂、中♀、下♀。八重山に棲息。
オキナワツノトンボに似るが翅の形状が異なる。また、数頭観察した限りでは、オキナワツノトンボの触角端は黒だが、ヤエヤマツノトンボの触角端は黄色っぽい。
→蛾LOVEさんが新設した「日本産角蜻蛉図鑑」(2013/1/9追記)
→カマキリモドキ(アミメカゲロウ目カマキリモドキ科)
→ホームページ