一寸の虫にも五分の魂

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フチグロトゲエダシャク 2014

2月以降、週末毎に天気が優れない為、やきもきしている内に啓蟄が過ぎてしまった。

少なくとも関東では、1週間毎に天候が一巡する様に思える。
従って、週末に低気圧が当たると、似た傾向が繰り返される傾向にある。
今回はそこに大雪が2度もあったので、残雪による悪影響も尾を引いている。

しかし、西南方面を中心にSNSでは徐々に春羽化蝶の目撃情報が飛び交い始めており、フユシャクもラストスパートに入った。
大雪や残雪で例年より発生時期がズレている様で、各種の出現時期の予想が難しい。

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◆フチグロトゲエダシャク(Nyssiodes lefuarius)♂(3月 埼玉)
「フユ」はつかないがフユシャクの一種。北海道~九州に生息。食餌は草本。
は毛むくじゃらのアザラシの様。
フユシャクの中でも唯一の本格的な昼行性で、灯火には来ないという徹底ぶり。
活動時間や交尾は正午前後で、晴れて暖かくないとまず活動しない。

12月頃クヌギ林などで見られたクロスジフユエダシャクも♂は明るい内に飛び回る。
しかし通常、交尾は日暮れ以降に見られる。また、♂は灯火にも来る。

晴天でないと活動しない点は、ギフチョウによく似ている。
枯草に止まっていると擬態効果で背景に溶け込んでしまう点もギフチョウに似ている。

また、発生時期は異なるが、ギンイチモンジセセリの生息地と重なる傾向もある気がする。
生存に適した環境が年々減っていることや、生息数がけっして多いとは言えない点も両者はよく似ている。
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◆フチグロトゲエダシャク♂アップ(3月 埼玉)
昼行性とは言えど、視力はよくない様で、フユシャクの中でも最も派手なレーダー状の触角を備えて♀のフェロモンを探す。
このレーダー触角と首回りの毛深さはイカルス星人を連想してしまう(笑)

本種は昼行性である為か、そのルックスゆえか、フユシャクの中では他種に比べてダントツに人気がある様だ。それもつい最近の傾向に思える。これもネット効果だろうか。

その分、採集圧も他種の比ではなく、神奈川のポイントではその時期になると必ず補虫網を見る様になった。
その所為か、神奈川で定点観察していたポイントは、残念ながら数年前から姿を見なくなった。

子供が虫捕りをする機会が減ったことで命の儚さに触れずに育ち、自身や他の命を尊重しない要因につながっていると個人的に思っているので、昆虫採集や飼育を否定するつもりは毛頭ない。
納得のできる研究や書籍にかかわる採集には、微力ながら協力もしてきたつもりだ。

しかし、いい大人が、個人所有に閉じた標本作りの為だけに、同一ポイントで同一種を多数採集する刹那的な行動は、種の存続を絶ち、子供らの権利を奪う行為にほかならない。

採集者本人も、先々まで虫との出会いを楽しみたいはずだ。
その為には、是非とも節度のある行動を望みたい。

また、ひとりひとりがたとえ1頭しか採らなくても、無数の採集者が同一ポイントで同一種を採れば、意図せずに絶滅に追いやることになる。
そうならない様に、ネットでのポイント情報の扱いはくれぐれも慎重にお願いしたいものである。

「末長く楽しみたいものは大切にする」
ごくあたりまえのことだと思うし、そんなに難しいことではないと思う。


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by issun_no_mushi | 2014-03-13 00:03 | 鱗翅目・蛾・冬尺