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フユシャクの探し方~ヤマウスバフユシャク・ウスバフユシャク

1月中旬で今季21種のフユシャクを確認できた。
これから春までに出会い得るフユシャクは残り10種。
ナミシャク亜科のフユシャクは出尽くし、エダシャク亜科のフユシャクは残り8種。今が旬のフユシャク亜科は残り2種。
今季はあと何種に再会できるだろうか。

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◆ヤマウスバフユシャク♂(11月 長野)
北海道、本州中部以北。本州では山地性。11月。食餌はバラ科。ウスバフユシャクより大型。
街灯下をヨタヨタ飛んでいたのを手づかみしたら今季初の本種だった。
この晩は2♂確認。交尾には時期的にやや早かった様だ。

ヤマウスバフユシャク♂の触角節は49~56節。ウスバフユシャクの56~62節より少ないとか。
写真では節を数えることは困難なので、現地で採集した川北さん蛾LOVEさんの同定に沿っている(笑)

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◆ウスバフユシャク交尾(12月 埼玉)
北海道~九州。寒地から順に11~1月頃。広食性。山地から平地まで普通。
この晩はATSさんと多数のペアに会えた。

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↑♂は地から湧く様に羽化していた。
本種は超普通種ゆえに最も出会いが多いフユシャクかもしれない。

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↑交尾中の♀アップ
フユシャク亜科 Inurois属の♀は外見では同定できない。
交尾中の♂で判断するか、解剖学的に交尾器を調べて確認するしかない。


ついでに・・・
自己流のフユシャクの探し方をまとめておきます(笑)
思いつきで書いたので、後日修正もあり得ます。

1.種類
 特定種のフユシャクを狙う場合は、事前に生態を調査する。
 いない時期やいない場所を探しても会えない。彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず。
 ・生息する地域や標高
 ・成虫が出現する時期、活動時間
 ・食餌

2.時期
 フユシャクの成虫の発生時期は、種と地域・標高によって異なる。
 同じ地域でも11月で発生が終わる種もいれば、4月にならないと出ない種もいる。
 同じ種でも、緯度や標高によって発生時期が1ヶ月以上ずれる場合もある。
 また、その年の気候傾向によって、発生時期が例年とずれることも多い。

 資料に「北海道~九州、11~12月」とある種は、北海道から九州のどこでも、11~12月の全期間会えるとは限らない。北海道では11月上旬で終わり、九州では12月にならないと出現しない場合もある。

 結局は過去の発生時期と、その年の気候を合わせ読んで、何度も現地に出向いて確認するのが確実。
 特にフユシャクの場合は、出現後1週間程度で姿を消す種もいるのでかなりシビア。 
 フユシャクは年1化なので、発生時期に会えないとリベンジの機会は1年後になる。

 高地にも平地にも生息する晩秋型の種は、早く気温が下がる高地・寒地から晩秋に発生して、徐々に平地・暖地で発生する。桜前線とは逆パターン。
 逆に、高地にも平地にも生息する早春型の種は、早く気温が上がる低地・暖地から早春に発生して、徐々に高地・寒地で発生する。桜前線に似ている。

 従って、標高や緯度を「タイムマシン」の様に上手く使えば、時期を逸して出会い損ねた種も、その冬の内にリベンジできる可能性がある。

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3.場所
 ・公園
  桜やクヌギなど食樹が複数ある公園が狙い目。夏に消毒していない公園がよい。
  夜間立入可能で、かつ治安がよく、適度に街灯があると安心。

 ・林
  食樹が多く、立入を許している林。
  林の奥よりも林縁の方が探し易く出会いも多い気がする。

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4.探し方
  強風、雨、寒波等の日は探索に向いていない。フユシャクの姿も少なく、人間も辛い(笑)
  月が明るいと、普通の蛾と同様に♂は街灯に集まり難いが、♀は探し得る。

 ・♂
  夜行性の♂は、普通の蛾と同様に、林に近い街灯・電話ボックス等の灯りで生息を確認する。
  夜間に食樹の幹をルッキングすれば、羽化直後の個体や交尾も狙い得る。
  街灯や林で飛翔している♂がいれば、網や手ですくって種を確認する。
  出現時刻は種により異なるが、日の入り直後から2時間くらいが狙い目。
  昼行性の♂は飛翔している個体を探し、追う。

 ・♀
  飛翔中の♂や、付近の街灯の♂が複数見られれば、♀を探す価値あり。
  夜行性の♀は稀に街灯付近でも見られるが、基本的に食樹付近をルッキング。
  ♀は食樹を高く登る為、林縁の柵や手すり等の低いものに間違って登った個体を探すと楽。
  昼行性の♀は♂を追って交尾で狙う。 
 
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5.必須事項
 ・防寒
  言うまでもないが、探索時期は冬なので防寒は必須。
  同じ夜でも、気温が下がる時刻から出てくる種もいる。
  虎穴に入らずんば虎児を得ず(笑)

 ・懐中電灯
  夜のルッキングに必需品。予備の電灯や電池があると安心。

 ・護身
  公園などでは犯罪に巻き込まれない配慮が必須。
  場合によっては野獣より人間の方がはるかに怖い存在。
  特に夜間の女性の1人歩きは避けるべき。男性を含む複数人での散策が安心。

  山林では獣との遭遇に注意し、狩猟対象と誤認されない配慮も必要。
  熊鈴などがあるとお守りになる。

 ・品性
  法律順守は当たり前。不法侵入・不法投棄・器物破損に類する行為は論外。
  夜間は職質の可能性もある。申し開きは自己責任。

  ネット上に具体的なポイント情報は載せない配慮が欲しい。
  安易にポイント情報をネットに晒すと、そのフィールドは乱獲対象となり荒廃する。
  また、採集自体は否定しないが、乱獲は止めて欲しい。虫はモノではない。人間と同じ「命」だ。
  フィールドや命を大切にすれば、未来も継続して楽しむことができる。


→ホームページ
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by issun_no_mushi | 2015-01-21 22:06 | 鱗翅目・蛾・冬尺