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一寸の虫にも五分の魂

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セセリチョウ・フェチ in 八重山

身の回りで見聞する限り、日本のセセリチョウは地味なので好きな方はそう多くないと思う。
昼行性の蛾より地味な為か、セセリを蛾と思っている方にも時々出会う。

しかし私は、セセリチョウが好きだ。
目は黒くて丸くて大きく、毛むくじゃらなルックスも可愛い子犬を彷彿とさせる。

日本のセセリチョウは、外来種も含めて37種が知られている。
これまで本州のセセリチョウには全て会ったが、八重山特産のセセリチョウに未見の種が多く、このGWにそれらに会いに出かけた。
結果的に目標の未見種5種(アサヒナキマダラセセリ、オオシロモンセセリ、バナナセセリ、テツイロビロードセセリ、ヒメイチモンジセセリ)全てを撮影でき、撮影種は35/37種となった。
残る2種は、北海道1種、小笠原諸島1種だが、どうなることやら。

現地では広島のashさんご夫婦、兵庫のDody-boyさんとも再度コラボでき、彼らのウルトラ探索眼や虫寄せ強運には筆舌に尽くし難いほどお世話になりました。
<コラボ暦>
→チャマダラセセリ
→ヒョウモンモドキ・ウスイロヒョウモンモドキ
→ヒロオビミドリシジミ・ウラジロミドリシジミ
→ムモンアカシジミ

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◆アサヒナキマダラセセリ♂(沖縄5月上旬)
今回、最も会いたかった未見種セセリチョウ。石垣島と西表島にのみ棲息する日本固有種。
沖縄県の天然記念物であり、もちろん採集禁止!!
沖縄県の最高峰である於茂登岳山頂等にだけ5月上旬頃に発生する。年1化。
コストが高くて混んでいるGW時期にわざわざ出かけたのも、この種に会う為。
例年は5月から発生するそうだが、今年は発生が早かった様で4/22には確認されたらしい。
他の蝶同様にまず♂から発生していた。西表島で4/28に初の♂を撮影し、石垣島で5/5に初の♀を撮影できた。

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◆アサヒナキマダラセセリ♀(沖縄5月上旬)

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↑オオシロモンセセリ成虫(同上)と巣・幼虫
現地では普通種だが、相性が合わずに、何度も挑戦してようやく会えた大型セセリ。
ゲットウに産し、ゲットウ付近で見られる。巣と幼虫は2006年に撮ったもの。

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↑バナナセセリ成虫・蛹/幼虫(同上)と巣
外来種だが、日本最大のセセリチョウ(画像の私の人差指と比較して下さい)
バナナセセリの仲間はバナナの害虫と言われるが、日本の種は葉の一部を喰うだけで実は喰わず、よほど大量に発生しない限り、バナナの生産にさほど影響するとは思えない。
幼虫・蛹はDody-boyさんが発見。成虫は採集後に羽化した個体(協力:蝶館カビラ)。巣は2006年に撮ったもの。(タフなDody-boyさんは朝駆けで野外の成虫を撮影されてます)
過去に窓の灯に飛来した情報があり、今回実験的にバナナ畑側でライトトラップを試みたが、巨大なムカデやキマエコノハが来た程度で、バナナセセリは来なかった。入梅して天候がイマイチだった為か、時間等の条件があるのかもしれない。

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↑ヒメイチモンジセセリ(同上)
一見小さなチャバネセセリという感じだが、チャバネセセリ等とは斑紋が異なる。
後翅の白点斑紋が2つの個体(上:西表島産)、4つの個体(下:石垣島産)に出会った。
4つの白点斑紋の個体に出会って、ようやく和名の意図が腑に落ちた。

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↑テツイロビロードセセリ♀産卵・幼虫(西表島4月下旬)
西表島にのみ棲息する大型セセリ。
デリス(マメ科)に産卵中。動きが素早くてなかなか撮れない。
産卵活動以外は樹冠付近にいるらしく、滅多に出会えない。
ハブ(ここはサキシマハブ)が棲息する場所なので藪漕ぎも怖い。

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↑サキシマハブ(西表島4月下旬:Dody-boyさん発見)

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↑タイワンアオバセセリ幼虫(西表島4月下旬:Dody-boyさん発見)

今回八重山では上記以外にも、過去撮影済のアオバセセリ、タイワンアオバセセリ、オキナワビロードセセリ、コウトウシロシタセセリ、ネッタイアカセセリ、クロセセリ、クロボシセセリ、チャバネセセリ、トガリチャバネセセリ、ユウレイセセリにも再会できた。
セセリチョウ科以外の蝶などは別途ご報告の予定。

→セセリチョウ図鑑

→ホームページ
by issun_no_mushi | 2010-05-11 11:14 | 鱗翅目・蝶・八重山