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一寸の虫にも五分の魂

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カマキリモドキ・カマキリ

今回の与那国オフでは、企画早々に入梅してどうなることかと思ったが、実際には「島の天気予報は当たらない」と言われた通り、傘の出番はなかった。
雨が降ったら、虫撮りを諦めて観光かなと思っていたが、結果的に観光らしき行動は「日本最西端之地」の碑を確認した程度で、昼間はもちろん、夜も虫探索に奔走した。

与那国島の夜間探索では、島中を走っても異様に外灯が少ないことを思い知らされ、ようやく外灯を見つけても、出会うのはほとんどがシロスジヒトリモドキばかり・・・期待のヨナクニサンは端境期で、生きた成虫には会えず、2齢幼虫ばかりあちこちで出会った。
途中、ミニパトに後をつけられたのは、数少ない販売機の前でストロボを焚いていたからか、夜はコンビニはおろか開いている店も何も無い島なのに夜中に出歩いているレンタカーが異常に見えたからか(笑)

石垣島ではナイター設備を頼んで灯火観察を企画したほか、地元の灯火調査にもお邪魔させて頂き、月齢が良くなかったにもかかわらず、そこそこの出会いがあった。
お世話になった方々に厚く御礼申し上げます。
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◆オオイクビカマキリモドキ(5月 八重山)Euclimacia badia
他のカマキリモドキに比べて首が短いので、和名は大猪首蟷螂擬という意味だろうか。
アシナガバチ位の大きさ(体長23~27mm)で、本州のキカマキリモドキ(体長約20mm)に比べてかなり大きく感じる。久々の再会だった。八重山のみに産する。

カマキリモドキ科は脈翅目(アミメカゲロウ目)でクサカゲロウ等の仲間であり、カマキリ目とは近縁ではない。
いわゆる「他人の空似」であって、カマキリに擬態しているという訳ではない。むしろ腹部を見る限り、蜂に擬態している可能性もある。

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↑初めて会ったオオイクビカマキリモドキ(2006年夏 八重山)Euclimacia badia

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↑本州のキカマキリモドキ(黄蟷螂擬)のお食事(2007年秋 山梨)Eumatispa harmandi
ご馳走はマエアカスカシノメイガ。食後の鎌のお手入れも入念。

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↑本州のキカマキリモドキ(2006年秋 山梨)Eumatispa harmandi
この個体は左前肢を失っていた。

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↑キカマキリモドキ(2009年夏 岡山)Eumatispa harmandi

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◆ミナミヒメカマキリモドキ(5月 八重山)Mantispa transversa
本州のヒメカマキリモドキと同じ位の小型サイズ(開張約20~30mm、体長は15mm程度)だが、斑紋が異なる。
小さい上に、物陰にいて危うく見落とすところだった。

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↑一昨年会ったミナミヒメカマキリモドキのお食事(八重山)Mantispa transversa
ご馳走の蛾の種名は不明。こちらも食後の鎌のお手入れに入念だった。

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↑本州のヒメカマキリモドキ(2009年夏 山梨)Mantispa japonica
北海道・本州・四国・九州(開張23~24mm)
首の色などは個体差が大きいらしい。

日本のカマキリモドキ科は上記4種のほかに、下記4種を加えて計8種がいる。
キカマキリモドキやヒメカマキリモドキの幼虫はクモに寄生して育つ様だが、他種の生態ははっきりしていない様だ。
いつか下記の4種にも会ってみたい。

・オオカマキリモドキ(Tuberonotha strenua)四国・九州
・ツマグロカマキリモドキ(Austroclimaciella quadrituberculata)本州・四国・九州、(別名クビクロカマキリモドキ)
・ウスグロカマキリモドキ(Austroclimaciella subfusca)本州
・ツシマカマキリモドキ(Cercomantispa shirozui)対馬


カマキリモドキのついでに、八重山で会った、本家カマキリも載せておく。
いずれの種も成虫は私的初撮影。

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↑ウスバカマキリ(4月 八重山)Mantis religiosa

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↑スジイリコカマキリ(4月 八重山)Statillia sp.


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by issun_no_mushi | 2012-05-23 23:26 | 網翅目(カマキリ)