今秋観察・見聞できた範囲では、関東高地の
クロウスタビガはほぼ平年通りに出現した。
一方、ウスタビガは平年よりやや早めに現れ、両種を同日に観察したという情報を複数得た。
一度、ウスタビガとクロウスタビガを並べて撮ってみたいが、同時に同ポイントで会った事がない。
11月に入って
アキナミシャクも現れ、蛾も晩秋のメンバーが揃った。
◆ウスタビガ♂(11月 山梨)本州以南亜種 Rhodinia fugax fugax
広食性。♂は比較的遅い時間に出現する傾向があるとされているが、この日は摂氏2度を切る中、19時前に飛来した。
◆アキナミシャク(同上)Epirrita autumnata autumna
和名も学名も「秋」の名を持つナミシャク亜科3種の中の最大種。
普通種にもかかわらず、食餌が未知とされている。
↑ナカオビアキナミシャク Nothoporinia mediolineata
アキナミシャク3種の中の1種。リョウブ科喰い。
↑ミドリアキナミシャク Epirrita viridipurpurescens
アキナミシャク3種の中の1種。ブナ科・カエデ科・カバノキ科喰い。
↑カバエダシャク Colotois pennaria ussuriensis
晩秋に現れるエダシャク亜科。広食性。
↑ニトベエダシャク Wilemania nitobei
これも晩秋に現れるエダシャク亜科。広食性。
↑エゾクシヒゲシャチホコ Ptilophora jezoensis
晩秋のシャチホコガ科。クシヒゲシャチホコより白線がくっきりして数も少ない。カエデ科喰い。
↑クシヒゲシャチホコ Ptilophora nohirae
カエデ科・カバノキ科喰い。
↑キエグリシャチホコ Himeropteryx miraculosa
これも秋のシャチホコガ科。カエデ科・カバノキ科・トチノキ科喰い。
↑ウスズミカレハ Poecilocampa tamanukii
バラ科・カバノキ科喰い。
この時期は特に落葉色の蛾が大勢を占めるが、この種は黒っぽくて目立つ。
別名タマヌキカレハ。タマヌキは昆虫学者の玉貫氏に由来するものと思われる。
和名の命名時は、その由来も公的な記録に留めて置くべきではないかと思う。
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