アリジゴクを知らない方は少ないと思うが、実際に幼虫を見た方は必ずしも多くないらしい。
また、その成虫がウスバカゲロウ(薄翅蜉蝣)であることも意外と知られていない様だ。
ウスバカゲロウ科はアミメカゲロウ目に属し、日本で17種。
その内、幼虫が「蟻地獄」の名の由来となった「すり鉢」状の巣を作るのは5種(ウスバカゲロウ、コウスバカゲロウ、クロコウスバカゲロウ、ハマベウスバカゲロウ、ミナミハマベウスバカゲロウ)だけという。
アミメカゲロウ目(脈翅目)の分類は(資料によって微妙にことなるが)「日本動物大百科」(初版、平凡社)によればヘビトンボ亜目、アミメカゲロウ亜目、ラクダムシ亜目の3亜目から構成される。
幼虫は陸生で、完全変態(蛹を経て成虫になる)。
・ヘビトンボ亜目(広翅亜目)
ヘビトンボ科(リンク)
センブリ科(下)
・アミメカゲロウ亜目(扁翅亜目)
ツノトンボ科(リンク)
ケカゲロウ科
クサカゲロウ科(下)
コナカゲロウ科
クシヒゲカゲロウ科
ヒメカゲロウ科(下)
カマキリモドキ科(リンク)
ウスバカゲロウ科★
シロカゲロウ科
ヒロバカゲロウ科(下)
ミズカゲロウ科
・ラクダムシ亜目
キスジラクダムシ科
ラクダムシ科(下)
名称が似ているので混同されがちだが、
カゲロウ目(蜉蝣目)はアミメカゲロウ目とは別な昆虫。
成虫は口がなく、儚い意味の「蜉蝣の命」はカゲロウ目を指す。幼虫は水生。不完全変態(蛹を経ない)で亜成虫を経る。
↑クロタニガワカゲロウ亜成虫(カゲロウ目ヒラタカゲロウ科)
↑同幼虫
また、成虫の外見がなんとなく似ている昆虫として、
カワゲラ目(不完全変態。幼虫は水生)と、
トビケラ目(完全変態。幼虫は水生)がいる。
↑クロヒゲカワゲラ(カワゲラ目カワゲラ科)
↑ムラサキトビケラ(トビケラ目トビケラ科)
◆クロコウスバカゲロウ幼虫(9月 埼玉)
山地の沢の砂地で久しぶりに遭遇した。
斑紋からクロコウスバカゲロウと判断した。
通常、大アゴはほぼ左右対称の様だが、この個体は非対称だった。
↑お尻から砂に潜る様子。巣を作る種の幼虫は前進できないらしい。
↑クロコウスバカゲロウの巣
幼虫は巣の中央に潜り姿は見せず、獲物が落ちるのを待つ。
試しに、近くに巣を作っていた小さな蟻を巣に追いやってみたが、蟻は苦も無く脱出できた。
仕方がないので、細い小枝で巣の淵を軽く細かく連打してみたら、巣の中心部から砂が掛けられた。
砂をかけて獲物を巣の底に落とそうとする戦略だ。
↑クロコウスバカゲロウ成虫
↑コウスバカゲロウ成虫
↑ウスバカゲロウ成虫
◆ツノトンボ幼虫(8月 神奈川)
昨夏に続きツノトンボの孵化に遭遇した。
成虫からは想像できない強面の幼虫だ。
↑成虫♀
→
ツノトンボ図鑑
↑ヤマトセンブリ(センブリ科)
↑クサカゲロウsp.(クサカゲロウ科)
↑卵
「優曇華の花」の異名を持つ。種類によっては1つづつ産む。
↑幼虫
アブラムシ(アリマキ)等を喰う。
種類によっては背に塵を背負う。防御に役に立っているのだろうか。
↑セアカクサカゲロウ(クサカゲロウ科)西表島
↑ミドリヒメカゲロウ(ヒメカゲロウ科)
↑エグリヒメカゲロウ(ヒメカゲロウ科)
↑クビカクシヒメカゲロウ?(ヒメカゲロウ科)
↑ウンモンヒロバカゲロウ(ヒロバカゲロウ科)
↑ラクダムシ♀(ラクダムシ科)
↑幼虫
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