最近、首都圏で外来種の大型カメムシ2種(マツヘリカメムシとキマダラカメムシ)が見つかっている。
キマダラカメムシが
ATSさんのフィールドで発生しているというので覗いてきた。
昨年9月に成虫を見かけたということだったので、成虫越冬していると予想。
今春に成虫が見られないかATSさんにお尋ねしたところ、4月に成虫を複数確認したとのこと。
出遅れて5月に出向いたものの、すでに拡散後だったのか出会えず。
この9月にリベンジしてようやく出会うことができた。
車を降りて1本目の桜で早くも初の成虫との出会い。
よく見ると、周辺の桜1本ごとに数匹づつ成虫や終齢幼虫がいた。
新天地に天敵が少ないのか、繁殖力が強いのか、この地では増殖傾向にある様だ。
◆キマダラカメムシ(9月 埼玉)Erthesina fullo カメムシ科
体長20mm以上。クサギカメムシより大きい。その割に厚みはない。
日本で見られるキマダラカメムシは台湾からの侵入種らしい。
ヨコヅナサシガメ同様、南方から日本に侵入し、温暖化で北上しつつあり、2011年には愛知で確認されているという。
2008年に東京でも確認されたそうだが、これは上記ルートと掛け離れているので、植物の移動など何らかの人為的原因で持ち込まれたと思われる。埼玉産は東京から川岸の緑地伝いに上ったのかもしれない。
↑終齢幼虫(9月 埼玉)
↑クサギカメムシ(9月 神奈川)Halyomorpha halys
日本全国。成虫越冬。関東平地の普通種では最大。
↑マツヘリカメムシ(3月 山梨)Leptoglossus occidentalis ヘリカメムシ科
キマダラカメムシ同様に2008年に東京で確認され、その後首都圏で複数発見されている。
北米産なので物資に付いて人為移入されたものと想像できる。東京は移入種の正面玄関だ。
ATSさんのフィールドでは本種も確認されている。
◆ツノアオカメムシ(9月 上3枚は埼玉、4枚目のみ山梨)Pentatoma japonica カメムシ科
平地でキマダラカメムシに会った後、山地に移動して本種に出会った。秋に山地の灯火でよく出会う。
白いものは寄生ハエの卵らしい。腹部にも付いていた。
3枚目は同夜埼玉の灯火で会った別個体。これも寄生卵がついていた。
グリーンメタリックの外見やサイズは、同日出会ったアオクチブトカメムシ(下)に似ているが角の形状等が異なる。
↑アオクチブトカメムシ(9月 埼玉)Dinorhynchus dybowskyi カメムシ科
大半は植物を食餌とするカメムシ科の中で、クチブトカメムシ亜科はサシガメ科の様に他の昆虫を捕食する。
↑アオクチブトカメムシ4齢幼虫(2008)
↑アオクチブトカメムシ色彩異常型?(2008)
これまで会えたクチブトカメムシ亜科を列挙する。
↑クチブトカメムシ(2009,2002)Picromerus lewisi
↑クチブトカメムシ終齢幼虫(2009)
↑オオクチブトカメムシ(2006)Picromerus bidens
↑チャイロクチブトカメムシ(2002)Arma custos
↑アシアカクチブトカメムシ(2006)Pinthaeus sanguinipes
↑シモフリクチブトカメムシ(2011)Eocanthecona japonicola
↑シロヘリクチブトカメムシ(2008)Andrallus spinidens
↑ルリクチブトカメムシ(2009)Zicrona caerulea
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