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一寸の虫にも五分の魂

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ミヤマフユナミシャク・ヒメクロオビフユナミシャク

平地にも分布するタイプのフユシャクなら、12月以降に地元で会える種も少なくない。
しかし、晩秋型の山地性フユシャクは、本州中部では11月に出現し姿を消す種がほとんどなので・・・
彼等に会いたければ、11月は毎週末、天気予報を睨みつつ、高速道路を使って1000m超の山地に遠征することになる。
光陰矢の如しだ。
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◆ミヤマフユナミシャク♂(11月 山梨)
シャクガ科ナミシャク亜科の山地性フユシャク。幼虫の食餌はマツ科。
晩秋型で、毎年最も早く出現して消えるフユシャクだ。
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◆ヒメクロオビフユナミシャク♂(11月 山梨)
普通種のクロオビフユナミシャクに似ている。幼虫の食餌はブナ科。
あまり数を見ない種。

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↑ヒメクロオビフユナミシャク♀(過去画像)
♀の翅はフユシャクの中でも最大級だが、飛ぶことはできない。

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↑クロオビフユナミシャク♂(11月 群馬)

→フユシャク図鑑

→ホームページ
by issun_no_mushi | 2012-11-27 22:05 | 鱗翅目・蛾・冬尺

フタスジフユシャク

今年は晩秋を迎えて急に寒くなった印象だ。
山地で姿を消したウスタビガが平地で見られる頃になると、山地ではフユシャクの季節が始まる。

フユシャクは日本で35種が確認されており、その内、関東甲信エリアで32種を確認している。
(残る3種の内、1種は20年以上発見されていない。他の2種は九州のみに棲息する。)

フユシャクの発生時期は、種によって晩秋から早春にかけて分散しており、それぞれの種が続々と出現しては短期間で姿を消すので、フユシャクの追っかけをしていると夏より忙しいくらいだ(笑)

発生場所も、標高1000m以上の高地にほぼ限られる種や、幼虫の食餌により特定の植生環境(例えばモミ林)にしか発生しない種など、狙う種によって、過去の実績も踏まえて、時期と場所を計画的に考える必要がある。もちろん天候や温度、月齢、風速も考慮する。強風や低温だと♀には会い難い。

フユシャクの成虫は摂食せず、短期間で交尾・産卵を終えて姿を消すので、種によっては1回の週末が悪天候で観察できないと、その年は1種を見逃す可能性すらある。

昨冬は、27種の♂に会えたが、28種目のシュゼンジフユシャクは2度も遠いポイントに通ったにもかかわらず玉砕だった。

灯火観察で出会いが期待できる♂ですら、上記の状況なので・・・
翅が無い♀との出会いは、桁違いに難しい。

これまでに♂に出会えた32種のうち、下記10種はまだ♀に出会えていなかった。
<フユシャク亜科>
ヤマウスバフユシャク、アカウスバフユシャク、フタスジフユシャク、シュゼンジフユシャク
<ナミシャク亜科>
ミヤマフユナミシャク、サザナミフユナミシャク
<エダシャク亜科>
ウスオビフユエダシャク、ナカジマフユエダシャク、フタマタフユエダシャク、ウスシモフリトゲエダシャク

さっそく今シーズンも、未見の某種の♀を狙おうと、spaticaさんにも参戦をお願いして、真神ゆさんと、氷点下4度の山中で、寒さに震えながら探索した結果・・・
狙っていた種とは違うが、フタスジフユシャクの交尾(つまり♀)に初めて遭遇した。
これで、未見♀が10種から9種に減った。
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◆フタスジフユシャク♀(11月 長野)
シャクガ科フユシャク亜科Inurois属の♀は外見での同定は困難。
今回は交尾にて確認できて幸運だった。
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◆フタスジフユシャク交尾(同上)
フタスジフユシャクは山地性のInurois属。
当初はウスバフユシャクの1タイプとされていたが、1974年に種として独立した。
神奈川でも丹沢山等に棲息し、特に珍しい種ではないが、山地性でかつ、発生時期が11月頃に限られるので、油断していると会えずにシーズンが終わる。
山地性の種の交尾は、灯火観察ではまず出会えないので幸運だった。

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↑フタスジフユシャク♂
単体♂もちらほら飛んでいた。

→フユシャク図鑑

→ホームページ
by issun_no_mushi | 2012-11-21 22:41 | 鱗翅目・蛾・冬尺

捕食者

鱗翅目中心にフィールドを追っかけしていると1年中切れ目がない。
その合間に出会う、鱗翅目以外の面々ももちろん多い。
しかし、ついつい表紙には翅が大きくて絵にし易い鱗翅目を安易に選んでしまう。

今回は、秋に出会った捕食者達を紹介しておく。
虫にかかわる捕食者には脊椎動物も含まれるが、ここでは虫とクモに絞る。

虫に嫌悪感を持つ方は、このブログは見ていらっしゃらないと思うが・・・
虫は平気でも、クモには嫌悪感を持つ方はいらっしゃるかもしれない。

そもそも「虫」はマムシ(蝮)の象形から成った文字であり、広義にはクモや多足類(ムカデやゲジなど)はもちろん、爬虫類や両生類も含んでいた様だ。また「蟲」は生物全般の意味を表していたとか。
いずれもクモを含むことになる。

カマキリモドキ等、クモを食餌にして生きている昆虫も少なくない。
また、もしクモがいなくなったら、地上は虫だらけになるという説もある。
クモの存在は地球には欠かせない。

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◆オオカマキリ♀(11月 神奈川)
今年は少ないと心配したが、晩秋になりそこそこ会う。
この個体はササキリらしき獲物を捕食中だった。
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↑コカマキリ(神奈川)
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↑ハラビロカマキリ(神奈川)

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◆ジョロウグモ交尾(10月 埼玉)
♀がコアオハナムグリを捕捉した直後。顎力が凄い。この隙に交尾した、ちゃっかり♂が見えるだろうか。
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↑サトクダマキモドキを捕食中のジョロウグモ(神奈川)
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↑イチモンジセセリを捕食中のジョロウグモ(神奈川)
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↑テングチョウを捕食中のジョロウグモ(対馬)
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↑ウリキンウワバを捕食中のジョロウグモ(神奈川)
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↑狩蜂らしきハチを捕食中のジョロウグモ(対馬)
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↑網にかかったアムールカナヘビと、どうしようか迷っている?ジョウロウグモ(対馬)
この後、カナヘビは無事に逃げた(笑)
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↑50%の残り少ない脚で頑張るジョロウグモ(神奈川)

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↑ロードキルのゴミムシ類の屍骸を喰うザトウグモ(ザトウムシ)
クモは眼が4対(計8つ)だが、ザトウグモは1対(計2つ)しかなく、視力は弱いのが座頭の和名の由来らしい。
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↑クダマキモドキらしき屍骸に群がるザトウグモ(ザトウムシ)

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↑ゴミグモ(神奈川)
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↑ゴミグモ幼体(神奈川)
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↑イオウイロハシリグモ(神奈川)
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↑コアシダカグモ(神奈川)
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↑オナガグモ(対馬)
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↑オニグモ(山梨)
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↑イシサワオニグモ(山梨)
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↑ワキグロサツマノミダマシ(対馬)
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↑トゲグモ(山梨)
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↑ハンミョウも捕食者(対馬)

→変り種クモ

→ホームページ
by issun_no_mushi | 2012-11-13 21:40 | 蜘蛛綱(クモ、ダニ)

ウスタビガ

今秋観察・見聞できた範囲では、関東高地のクロウスタビガはほぼ平年通りに出現した。
一方、ウスタビガは平年よりやや早めに現れ、両種を同日に観察したという情報を複数得た。
一度、ウスタビガとクロウスタビガを並べて撮ってみたいが、同時に同ポイントで会った事がない。
11月に入ってアキナミシャクも現れ、蛾も晩秋のメンバーが揃った。

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◆ウスタビガ♂(11月 山梨)本州以南亜種 Rhodinia fugax fugax
広食性。♂は比較的遅い時間に出現する傾向があるとされているが、この日は摂氏2度を切る中、19時前に飛来した。

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◆アキナミシャク(同上)Epirrita autumnata autumna
和名も学名も「秋」の名を持つナミシャク亜科3種の中の最大種。
普通種にもかかわらず、食餌が未知とされている。

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↑ナカオビアキナミシャク Nothoporinia mediolineata
アキナミシャク3種の中の1種。リョウブ科喰い。

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↑ミドリアキナミシャク Epirrita viridipurpurescens
アキナミシャク3種の中の1種。ブナ科・カエデ科・カバノキ科喰い。

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↑カバエダシャク Colotois pennaria ussuriensis
晩秋に現れるエダシャク亜科。広食性。

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↑ニトベエダシャク Wilemania nitobei
これも晩秋に現れるエダシャク亜科。広食性。

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↑エゾクシヒゲシャチホコ Ptilophora jezoensis
晩秋のシャチホコガ科。クシヒゲシャチホコより白線がくっきりして数も少ない。カエデ科喰い。

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↑クシヒゲシャチホコ Ptilophora nohirae
カエデ科・カバノキ科喰い。

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↑キエグリシャチホコ Himeropteryx miraculosa
これも秋のシャチホコガ科。カエデ科・カバノキ科・トチノキ科喰い。

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↑ウスズミカレハ Poecilocampa tamanukii
バラ科・カバノキ科喰い。
この時期は特に落葉色の蛾が大勢を占めるが、この種は黒っぽくて目立つ。
別名タマヌキカレハ。タマヌキは昆虫学者の玉貫氏に由来するものと思われる。
和名の命名時は、その由来も公的な記録に留めて置くべきではないかと思う。


→ホームページ
by issun_no_mushi | 2012-11-07 21:43 | 鱗翅目・蛾・野蚕